希望の友 1972年 夏休み増刊号 潮出版社


ヴィンテージTOYショップ「モズライト」さんのチラシをデザインしたお礼として、この本を頂いた。
お店では昔の雑誌・漫画が結構積まれており、今日見た中では絵本「パラソルヘンべえ」1巻がちょっと気になった。


A先生の「鳥人くーん」掲載。
40P中、カラー8P。
A先生は何かにつけ、人が飛行能力を得たり、飛ぶ夢を見るという作品を描いているが、本作は文字通り鳥人となった少年を主人公として、A先生の願望をストレートに描き出しているのではないかという点で非常に興味深い。
ただし、鳥人となる理由付けは全く皆無。原因より展開自体を重んじる(?)ライブ感もA先生らしい。人語を操る九官鳥・黒ベエが鍵を握っているのか? いや、トリオの方が鳥語を理解していると思うべきか。


初出時台詞「トリキチガイ」が単行本(愛蔵版ブラックユーモア短編集1 中央公論社)では「トリ好き」に。
カラーは全てトレスに。トレスは完璧。そう言えばF作品では、トレスは常に散々な言われようだが、A作品ではトレスそのものの話題すら聞いたことがない。根本的に線が似せやすいのだろうか?


A作品後年のカラーはエアブラシを使い綺麗な物が多いが、これは基本ただのベタ塗りで、「魔太郎」とかでよく見られるサイケデリックな色彩センスでもなく、本編も描き変えがないことを思うと無理して掲載誌を買う必要はないかな? 今回タダでもらえてよかったが・・・
この本自体は結構珍しいと思うけど。他に石森章太郎宮本武蔵」(さすがの100ページ!)、みなもと太郎「乞食王子」など。